2019年 7月 9日
FCシリーズの完成形 1981年に初代FC-100がデビューして38年になります。当時画期的であったフローライトF8シリーズのシステムは、フォトビジュアルな屈折望遠鏡の先駆けとして、現在のデジタル時代の天体写真撮影においても世界中の天体望遠鏡メーカーで多く採用されています。
色収差の少ないフローライト対物レンズにレデューサーなどの撮影光学系を組み合わせてアストロカメラにすれば、眼視も写真も共に楽しめるという、弊社の天体望遠鏡部門の創始者である高橋喜一郎元会長の発想は、現代の天文ユーザーにとっても理想的な天体望遠鏡の姿ではないかと思います。 38年前には憧れであったフローライト対物レンズは、現在ではかなり手軽に扱える素材となっており、二枚玉なら三枚玉EDよりも安くて軽量コンパクトな屈折望遠鏡ができます。
問題は色収差の性能で、デジタル写真では、かつての銀塩写真の時代よりも遥かに高度な色収差補正が要求されます。
従来の二枚玉フローライト対物レンズの短所は、波長毎の球面収差のばらつきが大きく、明るい対物レンズの場合、軸上色収差が少なくても青から紫の短波長側のハローが増加することです。
そこで、可視光領域で球面収差も含めて色収差のバランスを最適化するには、それぞれの波長毎の球面収差に微妙な高次収差を与え短波長側のハローを減らし、高倍率性能に要求されるストレール強度も向上させるという光学設計に至りました。 デジタル写真で問題になる青から紫色の短波長側のハローも、FC-100Dの約半分に抑えています。
フローライトと組み合わせるレンズについても、部分分散の相性の良い高屈折硝子と組み合わせることで色収差を低減させています。
これにより、460nm~670nmの可視光領域全体においてストレール強度90%以上、眼視強度を付けたストレール比で97.6%と、f/9 のFC-100DLを上回る眼視性能を f/8 の口径比で実現しています。 FC-100DZ | 仕 様 | [size=-1]形式 | [size=-1]2群2枚 フローライトアポクロマート | [size=-1]有効口径 | [size=-1]100 mm | [size=-1]焦点距離 | [size=-1]800 mm | [size=-1]口径比 | [size=-1]1: 8.0 | [size=-1]鏡筒径 | [size=-1]95 mm | [size=-1]鏡筒全長 | [size=-1]840 mm (フード収納時は 770 mm) | [size=-1]質量 | [size=-1]3.9 kg | [size=-1]ファインダー | [size=-1]6倍 30 mm |
|
|